2015年6月29日 (月)

後期用に毛鈎を巻く

 梅雨が明けると今期も後半になるので、毛鈎を巻いた。

Bh276定番のハリ、返しをヤスリで削りとる。少しだけ凸を残して置くとスカバレは減る。
但し、魚を傷つけてしまうので返った部分は完全に取り除く。

Bh2761盛期定番の毛鈎を二本巻いた。

二本あれば、十回遡行に充分。 これで準備は万端、終了した。

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2015年6月 5日 (金)

残念な毛鈎・・・

と、云うよりは基本的に失敗した毛鈎・・・と云うのが正しかろう。

 此の日、何時ものようにまだ入ったことのない細流の源流へと探釣に出かけた。
岩魚は棲んでいて、毛鈎を咥えによく出るのだが鈎掛りをしない。
普通なら三匹でて二匹は間違いなく掛けられるのだが、今日は三匹でて一匹しか掛けられない。
咥えた筈なのに何の手答えもなく “スカッ スカッ”と空振るのだ。
探釣では、意図的に釣らない事はあっても 釣れない事はマズイのだ。
“面妖な・・・” 
遂に目も老いてしまって年貢の納め時か・・・と悲嘆もした。
岩魚が喰いつく様を、よ~く岩影から覗き見て原因は判った。
落ち込みに毛鈎を落して少しだけ誘いをかけると、岩影からユックリと七寸程の奴が出て来た。
毛鈎をパックリと吸い込む、・・・?? 奴が潜った後にポッカリと毛鈎が浮き上がってきたのだった。
H276
鈎は七号 蓑毛は山鳥 で問題はない。 (絡んだ蜘蛛の巣の糸は愛嬌として)
着水姿勢を正す為に背から尻尾に鹿毛を付けてみたやつだ。 これがいけなかった!。
長く尻から突き出た硬い鹿毛が岩魚の口吻にあたってしまうのだった。
初歩的な失敗に何故に気付かなかったのであろう。
柔らかい羽で尻尾を付けようか、やはり尻尾は要らないか・・・。
そう思いながら、毛鈎を巻いている。

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2015年5月 8日 (金)

岩魚のちょんちょん釣り

 岩魚を毛鈎で虫と騙して咥えさせるのはスリルがあって面白い。
私の場合は、毛鈎を沈めて糸フケでアタリをとる釣りは殆どやらない。
早期にサビの残った岩魚を釣りたくないことと、この“騙し”の面白さとスリルが味わえないからだ。
もっとも、上流・源流の大岩・大石の転がる一跨ぎの細流ばかりを辿り歩いているからで、テンカラ本来の振り釣りすらその場面は少なく殆どがチョウチン仕掛けなのだ。

先日、十日ほど前の七寸のヤクザな岩魚クンに再び登場してもらおう。

こんな処を、滑り転ばぬように遡ること暫く。
B_2
岩陰からソット覗くと、そこは一坪ほどの広さの落ち込みの溜まり淵であった、深さは膝位であろうか。
そこの真ん中に岩が出ていて、そのこちら側に彼の岩魚君が定位していた。
B274
しかし、流れと逆方向、つまり下流を向いて定位しているではないか。
よ~く観察してみると、それでも彼は時々に胸鰭を動かして、その位置に身をとどめていたのだ。
“そうか、水流は突き出た岩の向う側を流れ、岩のこちら側に回り込んでいるのだ。”

これは、面白くなってきたぞ。
「見える魚は釣れない・・・」というが、「見える魚を釣る・・・」ほど面白いことはないからだ。
さて・・・どうやって、彼奴を騙して咥えさせて釣り上げてやろうか。

もう一度、岩陰からソット覗くと、彼奴はまったく同じ態勢だ。
執りあえず、此処まで使ってきて蜘蛛の巣にまみれた七号の毛鈎をテッシュペーパーで綺麗に拭いた。
B_2
ベストから煙草を一本とりだして、火を着けて深く深く吸い込んだ“美味い…”。
 ・・・ 「深沈黙考・・・」とはこのことだ。

執りあえず、定石とおりに流してみよう。
私は、鼻から上だけを岩から覗かせて、ゆっくりとゆっくりと一ヒロほどの仕掛けの先に付けた毛鈎をぶら下げた竿を差し伸べた。
竿影が映り込みはしないかと心配したが、陽射しの角度からして大丈夫だった。
水から突き出た岩向う側の流れ出しに毛鈎をソット下ろした。
思ったとおりに、水の流れに乗って毛鈎は岩を廻り込んで彼奴の一尺ほど前まで流れ寄った。

“オャ…”彼奴は、胸鰭を2・3度動かせて5センチほども前に進み出たが、また元の位置に戻ってしまった。
毛鈎は虚しく、彼奴の頭上を流れ過ぎてしまったのだ。

再び私は、岩陰に引っ込んだ。
“やるじゃぁないか…あの野郎、俺の毛鈎を喰えぬ物と見切りゃぁがった。”
でも、それでよかったし、そうでなくてはいけない。
私は、毛鈎に何の操作もしなくて咥えさせるのは“てんから師”として邪道だ…、まして、毛鈎を限りなく虫に似せてイミテーション化するなんて、あるまじき行いだ…という偏屈にして実に心狭い定義をもっている。

ソット見れば、彼奴は何事もなかったかのように、長閑に同じ場所にいる。
“ヨ~シ” 静かに竿を差し伸べて彼奴の二尺ほどの前の水面にヒョイと毛鈎を落とした。
直ぐに毛鈎を一尺も引き上げ、またヒョイと落とした。
案の定彼奴は、尾びれを動かして一尺ほど走り寄った、いや泳ぎ寄った。
“ここで喰わせまじョ” 毛鈎を素早く引き上げた。
B
そして、彼奴の後ろへ毛鈎を水面の五センチほど上の中空にまで下ろした。
一回、二回、彼奴に少しづつ寄って毛鈎を水面の五センチほど上の中空にまで下ろす。
三度目、彼奴の真後ろの水面上に毛鈎をチョコンと下ろした。
ジッと上目使いで毛鈎の動きを注視していたらしい彼奴は、突然に身をひねって毛鈎に突進して咥え込んだ。

“アッハッハハ 騙されやがった。” 私は、少しの、いやかなりの満足感に浸された。
B274
騙された岩魚は、此奴である。
(いや失礼、どうも熟女のようでもある。)


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