思わぬ大寸
名栗川水系の源流域のT入に出かけた。
渓に入って直ぐに直登できない滝場、左岸を山道に上って巻いた。
滝上は水量は少ないものの、落ち込みを連ねた好渓相だ。
意外と魚影は濃いようで、落ち込み毎に5~6寸の小型の岩魚が顔を出す。
暫く遡ると、小滝が在って小さいながらも淵になっている。
沈み石の周りに毛鉤を流すと、ゆっくりと魚影。
咥え合わせると意外な手ごたえ。
泣き尺の九寸五分が竿を引き込んだ。
気分よく遡ると、いよいよ水は細くなってきた。
“そろそろ棲む限界だな・・・” もう沢蟹の領域だ。
と、思っていると『ワッセ ワッセ』と黄色い声がする。
“そうだ、此の上は登山道があるのだ”
『おじさん、何しているんですかぁ~』カラフルな服装の若い女性のグループだ。
『釣りかしらぁ』
『違うわよ、樵よ 樵』と声がする。
“樵・・・”答えずにいると、『ワッセ ワッセ』と登って行ってしまった。
渓は終に、水は涸れた。
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コメント
ようこそ、クラさん。
やはり人臭さのない源流域が一番ですね。
と、浸っていたら懐かしい言葉の『樵よ』だそうです。
未だに捩じり鉢巻に地下足袋じゃしようがないですね。
ところで、お体の具合いは・・・。
寝不足で遊び回ってはいけませんね。
お互い、青春時代は過ぎましたしね。
私は、渓で転ばぬよう気をつけています。(笑)
投稿: 杣女 爺 | 2017年6月 3日 (土) 午後 08時13分
樵の杣女さん、おはようございます(笑)
細場の小滝、良いですネ~!
しかもそこにそぐわぬ風体の岩魚さん、鼻の下も伸びますよネ。
源流志向の私達にとって最も嬉しい瞬間であると思います。
投稿: クラ | 2017年6月 3日 (土) 午前 08時21分
久しぶりに名栗川水系に入りました。
実は、2nd rangerover さんの遡ったY入に“ヨシ 私も入ってみよう・・・”と刺激を受けて向かったのですが、一基目からの堰堤の高さに負けて隣の渓にしました。
投稿: 杣女 爺 | 2017年6月 3日 (土) 午前 05時27分
杣女様 大きいのいましたね。林道の入り口がボサで覆われているので入る人も少ないかもしれませんね。又、明日にでも寄ってきたいと思っています。いい魚です!
投稿: 2nd rangerover | 2017年6月 2日 (金) 午後 11時28分