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2016年5月25日 (水)

赤岩魚をさがして・・・。【其の七 最終堰堤の上流へ】

 奥山にも、藤の花が咲いた。

“出かけたい・・・” と思うのだが “此処を辿ろう・・・” との気を湧かせる沢谷が思い浮かばない。
過去の「釣り行記録」を繰ると、魚止メを確認できていない沢が幾つかあった。

其の中の、奥武蔵の「K入り」を遡ることにした。
記録では、平成21年に辿った時は、堰堤が次々に続いて辟易し最終堰堤と思われる処から戻ってきてしまい、其の上流は “また次回に・・・” としていた沢で、其の侭に行かず終いになっていたのだった。

 天気は上々。
沢筋に沿う林業用林道の終点に着いた。
左岸は、杉・檜の植林地。

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先ずは、前回(7年前)に最終堰堤と判断した下に降りて探ってみることにした。
毛バリを振ると1投で5寸の岩魚が咥えた。

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幼魚の為に、朱斑の出がまだ薄い。 
“ヨシ ヨシ、この上からが本番ヨ”と折角に降りた急斜のザレを難儀して喘登した。
堰堤上は、砂礫が堆積している。少し先が斜度のある段々滑メが30㍍ほど。

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もう歳だ、“転び落ちてもいけないし、無駄な労力は使うまい・・・”
左岸の踏み跡(仕事道)へ上がって巻いた。
滑メの上は、水は少ないものの落差のある落ち込みが続く良い渓相だ。
ソット落ち込みを覗けば、なんと良型の岩魚が慌てて岩の下に隠れた。
やはり岩魚は棲んでいたのだ。
頭上に木々が繁るので、提灯仕掛けに換えた。
ソット大石に隠れて、落ち込みに毛バリを落すと、グイと引き込んで8寸の色合いの良い岩魚。
水槽に入れて前から横から写真撮影。

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フット見上げる先に、なんと堰堤があるではないか。
左岸の踏み跡で堰堤の上に出た。
上がった処に、鉄塔巡視路の標識があった。

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「通勤路 滑落注意」と書いてある。
「通勤路」と書かれているのがユーモラス。
時に奥山谷でザックを背負った巡視員の方に行き逢うことがあるが、仕事とはいえ頭が下がる。
『お疲れさま…』と云うと『釣りですか…』と大概が云う。
今からでは駄目だが、今度に生まれ替ったら、こういう仕事が適性かもしれない。
其の時は、何時もザックにテンカラ竿を忍ばせておこう。
なんと、その先にも堰堤が見えるではないか。近寄れば「平成元年 治山事業」とある。

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“こんな奥まで堰堤か・・・”嘆息もする。

“せめて、此の堰堤が最終であって欲しい・・・”
堰堤を登った上は“水が無い!!”
それでも、50㍍ほど遡ると、何やら水音がしてきた。
辿れば、水流は復活してきたが、いかにも細い。

 それからも、少ない水量の落ち込みに丹念に毛バリを落したが、何の音沙汰もない。
両岸が岩場の中に小滝の処、ここも蜘蛛の巣に絡まるばかりで、何の反応もなかった。

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そして遂に、遂に水は涸れてしまった。

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今回に確認された最終堰堤から約一時間半、毛バリを振り振り遡ったけれど、
残念ながら堰堤上に岩魚は棲んでいなかった。
目的は達成したのだが、人工構築物の堰堤が「魚止メ」とは、寂しいかぎりであった。
 何時か、“堰堤間の岩魚を上げてやりたい・・・”とも思うのだが、
あの細流では、辛い思いをさせてしまうだけなのかもしれない。


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コメント

ようこそ ONUMAさん。

流石によくご存知で、お察しに間違いないでしょう。

>ある意味で堰堤に守られている・・・
その通りと考えます。
築堤の以前は在来魚の沢だったのでしょう。
築堤時にセメント灰汁で堰堤下流は絶えたはずですので、篤志家が持ち上げたものではないとすれば、落ちた者の子孫が上下を堰堤で閉ざされているとは云え、増水や渇水、それに厳しい冬も全てが凍てつくこともなく守られているのでしょう。
堰堤の間が50㍍もあれば、其処が棲み心地の良い我が世として暮しているのかもしれません。
その短い流程の中に幼魚すら確認できました。

投稿: 杣女爺 | 2016年5月27日 (金) 午後 05時50分

「T入り」ですか。「〇〇入り」と付くからには、あの水系かな。
なんて、かってに想像を逞しくしています。

堰堤上は、無住の沢ですか。
だいぶ細流のようですので、30年近くも経った今は、ある意味で堰堤に守られているのかもしれませんね。

それにしても、色合いの良いイワナです。


投稿: ONUMA | 2016年5月27日 (金) 午前 08時33分

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