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2015年6月27日 (土)

赤岩魚をさがして・・・【其の六 熊の掻き跡に恐れながら】

 梅雨の合間を狙って、赤岩魚の奥武蔵タイプをさがしに出かけた。
此処は、浦山川水系の某川の最源流域である。

今日も大気不安定とのこと、山の奥域で雷に遭わぬことを願うばかりだ。

Bh2762m車止めから一時間半ほども歩いて沢に降りる。
沢は前日の雨で水量は多い。 暫しの間、清々しい倒木の架かる小滝の処で一服する。

さて、目的の細流まで沢通しで30分は遡らねばならない。
其処此処で珍しい人間の姿を見て、岩魚達は岩洞や大石の下に走り隠れる。
Bh2762m_2やっとに目指す2m程の小滝の架かる右俣の入り口に着いた。
踏跡などは全く無いが、沢屋さんのだろう古いピンクの目印テープが付いていて参考にはなる。

さて、此処からが本番だ。 赤く装う岩魚は棲むのか、棲まぬのか・・・。
Bh276小滝を登って暫く、熊の掻き跡がある!!。
近寄って見ると、上の方は古いのだが、下の方は新しくて3.4本の爪跡もある。
一瞬迷った・・・。 熊に襲われ掻かかれた己の姿が想像された。 熊除けの鈴を威勢よく振り鳴らしながら遡る。
時々、『ワ~ ワ~』と大声をはりあげもした。

定番ではあるが今日の為に巻いた黒毛鈎を振るのだが、何の音沙汰もない。
B276木立の中に炭焼き跡の石組みが在った。
希望は持てた“此処には必ず棲んで居る。古の杣人が此の細流にも岩魚を持ち上げたに違いない。”
甲高い大きな熊除けの鈴の音で、洞中に潜んでしまっているのかもしれない、かといって熊に逢いたくはない。

B276_2一時間も遡ると、右岸は高い岩壁が続き大石が転在している。
こういった場所が在るならば、増水でも彼ら岩魚は下に流されずに石洞に避難できる筈だ。
しかし、流れはいよいよと細くなる。 “これは、此処には棲んでいないのか・・・。”
鈴を高々と振り鳴らすのは止めた。 “万一、襲いかかられたら発炎筒で煙に巻いて避けよう・・・。”

それが為か、落ち込み毎に落す毛鈎を岩魚は咥えた。
成魚であっても五・六寸が精一杯の大きさだ。
それはそうだ、こんな細流で大きな体では持ちこたえられない。これも自然の摂理の内であろう。

そして、更に遡ること約一時間ほどで二俣になり水量は半減して魚止メを向え確認することができた。
B276_3途中で咥えた七寸の岩魚。
写りは悪いが、顕著な特色を現した奥武蔵タイプであった。
炭を焼いた古の杣人に感謝せねばなるまい。

雷にも熊にも遭わず、足を挫くこともせずに本当によかった。

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