« 残念な毛鈎・・・ | トップページ | 赤岩魚をさがして・・・【其の六 熊の掻き跡に恐れながら】 »

2015年6月12日 (金)

赤岩魚をさがして・・・【其の五 峡間の中滝の上へ】

 この日、かねてから気になっていた細流を辿った。
奥武蔵は浦山川水系の葉沢である。
Bh276此の谷は、浦山川の支流に水量比5:1程にも満たない水量で滝を掛けて出合っている。

出合いの滝を登ってから困った。
目の前は、屏風を立てまわしたような峡間で、中に八㍍程の滝が二本二段に架かっている。Bh276_2支流の本谷から岩魚の遡上は無理で、“隔絶された此の上は、きっと在来種が棲んでいるに違いない・・・。”

周囲を見回したが、さて・・・登れるものではない。
暫く右往左往したが、遠く離れた処に古い巻き道を見つけた。

巻き道を二十分程も辿ると、下から見上げていた滝上の落ち口に出た。
さて・・・水量は心細い程に少ないが落ち込みが続いて、渓相は良い。
喜んで毛鈎を結んで落ち込みの溜まりに落すが、何の音沙汰もない。

何の音沙汰も無い侭に一時間程も遡ると、昭和の初期のものであろう炭焼き跡の石組みが在った。
“炭焼き人が、きっと岩魚を上げたに違いない。 秩父の岩魚達は昔人と共に暮らしてきたのだ。”
“もう少し、もう少し上を確かめてみよう・・・。”萎えかけた気持ちが蘇ってきた。

更に、一時間程も遡った。
尾根を越えて来たのだろう、古い薄い踏み跡が降りて来ていて壊れた作業小屋が在った。
B276既に、前の流れは今にも消えそうな程に細い。

それでもと、十㌢もない溜まりに毛鈎を落としたが、音沙汰はない。
更に遡ると、二俣に行き中り、遂に水流は消えてしまった。

“遂に、岩魚には出逢えなかったな・・・。”
それでも、細流の一谷を辿れられて、気持は満ち足りていた。


|

« 残念な毛鈎・・・ | トップページ | 赤岩魚をさがして・・・【其の六 熊の掻き跡に恐れながら】 »

コメント

 流石に! 秩父浪人さん

あの辺りは貴兄のテリトリーと承知していましたが、流石です。
下の枝沢ですね。某爺によりますと小型の岩魚が棲むそうです。が、「禁止」は禁止で「通行止」とは違いますから止めた方がいいでしょうね。

投稿: 杣女爺 | 2015年6月24日 (水) 午前 05時45分

手前の滑メに合う滝と次の写真でハタと気づきました!。
遅ればせながら、私も気になっていました。
実は、私もあの取り囲まれたような岸壁を前に『さぞかし この上には』と思っていましたが、あの場所を抜けずにいました。
おかげ様でスッキリしました。
爺様が上ならば~と、少し下の沢をと覗きましたら、発破で立ち入り禁止とあって強行するのも…と断念しました。どうなんでしょうね~。

投稿: 秩父浪人 | 2015年6月23日 (火) 午後 05時52分

 おはようございます。 クラさん

“其処の流れに、岩魚が棲んでいるのか棲んでいないのか。棲んでいたなら朱斑の原種であって欲しい。”
そのことが、私にとっては山谷に向かわせる意義であって浪漫です。
手前の本流には尺上が潜んでいることも判っているんですが・・・。

これで釣りする者と云えるのか。判りませんね(笑)。

クラさんが、身を朱斑で装い全ての鰭が朱に染まった赤岩魚を目にされることを、願っています。
何時の日にかは、ご一緒したい・・・。

投稿: 杣女爺 | 2015年6月23日 (火) 午前 05時54分

>細流の一谷を辿れられて、気持は満ち足りていた・・・

この一言を書き添える為に遡行するんですよネ。
たとえそこに岩魚がいなくとも己の気持ちは満足。
一筋の流れでも一縷の望みを託された毛鉤もきっと満足かと。

良いですネ~、釣り人たるやこうでありたいものです。

投稿: クラ | 2015年6月21日 (日) 午後 03時19分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 残念な毛鈎・・・ | トップページ | 赤岩魚をさがして・・・【其の六 熊の掻き跡に恐れながら】 »